室町時代に足利義満が相国寺に建立した塔で、高さは109mあったと伝わっています。東寺五重塔で高さ55mですから、その倍の高さの規格外の塔だったようです。

この七重塔は建立後に何度となく焼失しては再建されましたが、1470年に焼失したのを最後に再建されなくなりました。室町幕府の権力が衰えたのですね。
この塔があったとされる場所に行きました。そこには案内板と碑がありました。上の七重大塔のCG写真も案内板にあったものです。

ちなみに碑を見るとここには幕末には西郷隆盛の邸宅もあったようです。さらに驚いたのはノーベル賞学者の湯川秀樹氏も住んでいたようです。すごい場所ですね。

塔のあった相国寺は今も大きな寺院ですが、当時はそれ以上にとてつもなく大きかったようです。かつての敷地には今は同志社大学や同志社女子大学があります。

相国寺は室町将軍の足利義満の力を誇示するために建てられた寺といわれています。塔があったとされる場所の道路をはさんだ南には京都御所があり、ここに100mを超える七重大塔を建てるということはほとんど真上から天皇を見下ろすことになります。おそらくこれも権力の誇示でしょう。

この七重大塔が幻といわれるのは正確な場所が特定されていないからです。昔の絵図や塔之段町という地名からこのあたりに実在したことは間違いないようですが、いつか何かしら発掘・発見されれば塔の正確な位置や規模もわかるかもしれません。おそらくこのあたりの建物の下に礎石が埋まっているのでしょう。

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