そのニシン景気に乗じて財をなした豪商が丸一本間家です。100年前の屋敷は今も残り、平成15年に国の重要文化財に指定されています。

丸一本間家は呉服商や造り酒屋を営んでいました。下の写真は当時の呉服店舗の様子を再現した部屋です。

家人が食事などをする場所として使用された上勝手です。

広い屋敷内を見て回ると隅々まで贅の限りを尽くした造りに驚きます。当時の増毛の繁栄ぶりが伺えます。
そして丸一本間家が創立した酒造会社の国稀酒造です。現在も営業しており、日本最北の造り酒屋です。

入ってすぐのスペースでは製造している日本酒はもちろん、酒粕を使った珍味やまんじゅうなど、さらには和風の小物も販売されています。

ニシン漁の漁師たちには酒は不可欠でしたから、さぞかし儲かったことでしょう。

多くの人が集まる場所には旅館があります。旧増毛駅前近くには、今も2軒の旅館の建物が残っています。
ひとつは旧増毛館です。
昭和初期の建物で、映画「駅STATION」の撮影に使われました。

もう1軒は旧富田屋旅館です。ここも昭和初期の建築です。現在は使われておらず中に入ることはできません。

やがてニシンが捕れなくなると、最大で1万6000人以上いた人口も1960年ごろから減り続け、現在では4000人ほどの小さな町になってしまいました。
残っている旅館の建物の前に立つと、増毛にやって来た人々が国稀酒造の酒を飲んで宴をしている様子が目に浮かびます。

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