
そして来年の秋にはJR高槻駅前に大阪市から関西将棋会館が移転してくることになっており、一気に新しい将棋の聖地への機運が高まっています。そんな高槻市で28・29日の2日間、将棋のイベントが開かれました。2日間とも参加してきました。
まず28日(土)に開かれたのは「全国将棋サミット2023」です。
会場は今年3月にできた高槻城公園芸術文化劇場で、5月にはここで渡辺名人(当時)と藤井竜王の名人戦第3局が行われました。

全国将棋サミットは、将棋を通じて地域の発展を目指す自治体が、それぞれの取り組みについて意見交換を行い、交流と連携を深める目的で毎年開催され、今年は高槻市が会場になりました。
オープニングセレモニーのあと、まず羽生善治会長による記念講演がありました。演題は「将棋界の現在地と次の百年を刻む将棋の将来」です。最近ではAIにより将棋のスタイルがどう変化し、それが今後どのようになっていくかなどの話でした。

次に参加自治体からの報告があり、そのあと中村太地八段、豊川孝弘七段、村田智穂女流二段、声優の岡本信彦さんによるトークショーです。テーマは「将棋の魅力を伝えるために!」でした。会場に若い女性が多いなあと思っていましたが、ここで出演した声優さんのファンだったようです。この声優さんはかなりの将棋の実力者のようで、おおいに話が盛り上がっていました。

最後に藤井猛九段と久保利明九段による記念席上対局がありました。解説は藤森哲也五段、聞き手は藤井聡太八冠の姉弟子の室田伊緒女流二段です。さきほどのトークショーに出演した声優の岡本信彦さんも解説に加わり、イベントならではの盛り上がった対局になりました。

そして2日目の29日(日)には「高槻将棋まつり」が安満遺跡公園で開催されました。安満遺跡は約2500年前の弥生時代の集落遺跡で、国の史跡にも指定されています。

今年の3月に第1回「高槻将棋まつり」が同じ会場で開かれ、今回は2回目の開催です。羽生会長はオープニングの挨拶だけの出演でしたが、それでも多くの観客が集まりました。羽生会長はこの翌日には東京で渡辺明九段と対局していて、トップ棋士と日本将棋連盟会長の二足の草鞋は実に多忙そうです。しかも渡辺九段に勝ちました。

イベントの目玉は棋士と女流棋士が4組のペアになり、5手ずつを指し合うペアマッチトーナメントです。第1局は久保利明九段・石本さくら女流二段VS中村太地八段・加藤桃子女流四段の対戦です。対局中はペア同士の会話は禁止されているので、相方がどのような意図で指しているかを汲まないと一貫性のない将棋になります。

トークショー第1部は加藤桃子女流四段、漫画家の伊奈めぐみさん、山口恵梨子女流二段の女子トークです。漫画家の伊奈めぐみさんは漫画「将棋の渡辺くん」の作者であり、渡辺明九段の奥様です。また山口女流二段はNHK将棋フォーカスでMCをされています。

ペアマッチトーナメントの第2局は藤井猛九段・山口恵梨女流二段VS藤森哲也五段・武富礼衣女流初段の対戦です。藤井猛九段は同じ名字なので藤井聡太八冠と混同されることも多く、最近はそれをギャグにしています。

トークショー第2部は福崎文吾九段、東和男八段、浦野真彦八段、長沼洋八段という高槻市にゆかりのあるベテラン勢です。下の写真の左端にいる福崎九段はしゃべりがおもしろいことでも有名で、この日もおおいに会場を沸かせていました。

ということで、2日間楽しく過ごしました。多くの人気棋士が参加したとはいえ、将棋イベントに1000人以上の観客が来るというのはかつては考えられなかったことで、ここにも藤井聡太八冠の影響が大きく出ています。高槻市もいいタイミングで関西将棋会館の誘致に成功したものです。

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