
マルビルの名物といえば、屋上に設けられた「回る電光掲示板」でした。日々のニュースや天気予報などを伝えてきましたが、やがて周りを高層ビルに囲まれて掲示板が見えにくくなり、2003年に廃止されました。

私が学生の頃は大阪駅のホームからマルビルの掲示板がよく見えて、電車待ちのときにビッグニュースを知ることもありました。スマホなどは無く、テレビやラジオでしか情報が得られない時代でしたからね。
ちなみに下の写真は現在のマルビル前から見た大阪駅です。高い駅ビルがあるためにホームはまったく見えません。もちろんホームからマルビルも見えません。

今思うと「回る電光掲示板」が無くなった頃から、マルビルの役割は終わりを迎えつつあったのかもしれません。それでも2013年には丸い外壁を植物で覆って1本の大きな木に見立てて緑化のシンボルにしようというプロジェクトが動き始めるなどの話題を呼んできました。

完成当初は高さ123mで大阪一を誇ったマルビルも、今では超高層ビル群の中に埋没してしまいました。下の写真は高さ300mのあべのハルカスから望遠で梅田方面を撮ったものですが、あとから建った高層ビルに囲まれて窮屈そうにしているマルビル(中央の茶色いビル)の様子が伺えます。昔はマルビルの周りに高いビルはありませんでした。

マルビルの解体工事は来月から始まるそうです。かつては主役だった建物がいつの間にか主役の座を奪われ、そして半世紀で消えていくというのは、昨日紹介した平安京の西寺や羅城門と通じるものを感じます。

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