下の写真は南側の高台にある天橋立ビューランドから撮ったもので「飛龍観」と呼ばれています。このあたりは駅から近く、砂州にも行けますので天橋立観光の中心地です。

それに対して北側は人は少なめです。下の写真は北側の傘松公園から見た天橋立で「昇龍観」と呼ばれています。
これが今年の大学入学共通テスト地理Bに出題されました。問題は4地点から撮影された天橋立の写真の中から、北側から撮影された写真を選ぶというもので、選択肢から下の構図の写真を選べば正解です。

ネットで話題になったのは、これが出題された共通テストのわずか1週間前にNHK「ブラタモリ」で、北側から見た天橋立のことが映像とともに取り上げられていたことです。番組では昔は北側の方が栄えており、その理由について解明していました。
そもそも砂州関連のことは入試によく出ます。砂嘴が延びて対岸とつながり砂州となり、それによって堰き止められた海が潟湖(せきこ)と呼ばれます。潟湖は砂州が防波堤となるので波が穏やかで、水深の浅い汽水湖になるため養殖に適しています。浜名湖のウナギやサロマ湖の蠣などがその例です。
また、海岸の近くに島がある場合は、島と陸の間に砂がたまりやすく、陸続きとなることがあります。このような島を陸繋島と呼び、陸とつながった砂州部分を陸繋砂州(トンボロ)と呼びます。
下の写真は屈斜路湖にある和琴半島の案内図です。島が砂州で陸と繋がったようすがわかります。

以前紹介した様似町のエンルム岬も陸繋島です。
下の写真はエンルム岬の頂上から陸の方に向いて撮った写真ですが、島が陸と繋がった様子がわかります。

有名なところでは函館山も陸繋島です。秋田県の男鹿半島や神奈川県の江の島も陸繋島です。

このような砂嘴・砂州・潟湖・陸繋島・トンボロの名称や成り立ちは入試の地理問題でよく出題され、今回の共通テストで出たのも珍しいことではないですが、テスト1週間前に人気番組の「ブラタモリ」で取り上げられたのは出題者も予想外だったでしょうね。
ちなみにかつて「水曜どうでしょう」の企画「試験に出るどうでしょう」で「どうでしょうゼミナール」生徒の安田顕さんが「トンボロ」を答えることができず、責任を取る形で校長の大泉洋さんが四国八十八カ所を巡ることになりました。実は私もこれを見て砂州関連のことについて興味を持ちました。


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