NHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」も終盤です。
私自身、これまで連ドラを見たことはありませんでしたが、今回は十勝が舞台ということで初回から見ています。
ところで、なつが十勝にいるころに重要な役割を担っていたのが絵の上手な同級生の山田天陽くん(吉沢亮)です。
ドラマはフィクションですが、登場人物や施設など、ところどころ名称を変えつつ実在したものが描かれています。この山田天陽くんも実在した画家の神田日勝がモチーフです。

神田日勝は東京生まれですが、戦火を逃れて十勝の鹿追に来ました。そこで油絵を始め、十勝の風景や農耕馬・牛などをモチーフにした絵を描きました。現在、鹿追に「神田日勝記念美術館」があります。(下の写真)

そして、ドラマの撮影に使われた山田天陽くんのアトリエが帯広の真鍋庭園に残されています。

神田日勝は1970年32歳の若さで病死しました。ロケで使われた小屋の中には絶筆となった「半分の馬」が置かれています。絵を完成させることなく他界したため馬は半分しか描かれていません。

ドラマの9月第1週の副題は「なつよ、天陽くんにさよならを」です。やはり忠実に描くのでしょうか。ただ主人公のなつと山田天陽くんはなつが十勝を出てからはほとんど接点はなく、ここへ来て忠実に描くのはもはや意味がないように思います。(下の写真は神田日勝「扇ヶ原」1968年)

このドラマには十勝とアニメ界の実在の人物が寄せ集めのごとく出てきました。「神田日勝」のほかに十勝のよつ葉乳業創業者「太田寛一」やアニメの「宮崎駿」や「高畑勲」、主人公のなつも「奥山玲子」というアニメーターがモデルです。本来、十勝の人物とアニメ界の人物には接点はありません。だから無理があります。
十勝の雄大な自然を舞台に絞った方が私はよかったですね。俳優陣も祖父を演じた草刈正雄など名演技だったと思います。

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